できる限り無添加のものを選び、快適な食生活を送っています。
食品添加物の安全性が気になりますか?
きっとこの記事に訪れられた方は、「少しでも情報、知識を備えてより良い食品を選びたい」と思われているのではないでしょうか。
私自身は、胃腸の不調から食欲不振となり、食生活全てが ”苦” でしかなかったのですが・・・。そんな日常を変えるため、食生活を見直し ”無添加食品” ”オーガニック” ”発酵食品” を中心とした今のスタイルに至ります。
今回は、食品表示ルールの中でも、私たち消費者が知ることが難しい表示しなくてもよい添加物について、お伝えしていきます。
「なんのこと?」「食品表示???」など、
これまで食品表示の原材料欄について関心がなかった方は、前の記事で簡単にお伝えしていますのでこちらもご覧くださいね。

食品添加物表示の豆知識
日本の食品衛生法に基づいて許可されている食品添加物の数は1500種類以上。
食品に使用されている食品添加物については、原材料欄で確認する事ができます。
原則として、使用した全ての食品添加物が「物質名」で表示されていますが、一部の食品添加物に限って、簡略名や類別名等の、一般に広く使用されている名称で 表示することも可能とされています。
(出典:消費者庁HP)
このように、消費者庁のもと”食品表示法”といった法律に基づき”表示しないといけない項目”があります。
では、食品添加物が多いと言われている加工食品の表示、そして簡略名や類別名などの ”表示しなくても良い添加物” について説明します。
加工食品の表示義務
『生ものであれば生鮮食品、加工してあれば加工食品』という認識を持たれていませんか?
実はこれは間違った認識なのです。
▶︎ 単に切っただけ、洗っただけなど、「調整」「選別」の工程だけであれば生鮮食品なります。
例えば、ブルーベルーなどの実をとり、洗って凍結しただけだと「冷凍ブルーベリー」といった生鮮食品の分類になります。
▶︎ 熱を加える、混ぜ合わせるなど、「製造」「加工」の工程が加われば加工食品です。
例えば、サッと茹でたブロッコリーを凍結させ「冷凍ブロッコリー」とした場合には、加工食品の分類になります。
”凍結”は加工とみなされず、”茹でる”といった工程が加工とみなされるなど、細かなルールがあるのです。
生鮮食品と加工食品の区分には、この他にも細かなルールがあります。
食品表示法では下記の9項目が加工食品の表示義務として定められています。
・名称
・保存の方法
・消費期限または賞味期限
・原材料名
・添加物名
・内容量または固形量及び内容総量
・栄養成分の量及び熱量
・食品関連事業者の氏名または名称及び住所
・製造所または加工所の所在地及び製造者または加工者の氏名または名称
▼表示例
名称 | 焼き菓子 |
---|---|
原材料名 | 小麦粉、砂糖、バター、・・・ |
添加物 | 膨張剤、香料 |
原料原産地名 | 国内製造(小麦粉) |
内容量 | 100g |
賞味期限 | ○○.○○.○○ |
保存方法 | 高温多湿を避けて常温保存してください |
製造者 | CAA食品株式会社 東京都千代田区永田町○-○ |

これらに加えて、一定の要件に該当する場合に表示が必要になる事項は下記のとおりです。
・アレルゲン
・L-フェニルアラニン化合物を含む旨
・指定成分等含有食品に関する事項
・特定保健用食品に関する事項
・機能性表示食品に関する事項
・遺伝子組み換え食品に関する事項
・乳幼児規格適用食品
・原料原産地名
・原産国名
(出典:消費者庁早わかり食品表示ガイド)
かなりしっかりと表示されている印象ですね。
消費者にわかりやすい?!4つの表示ルール
原材料欄に記載がある食品添加物の表示については、 ”化学物質名をそのまま表示しても消費者にわかりにくい” などの理由から、4つのルールが定められています。
1 | 物質名で表示・・・原則ではすべて物質名で表示と定められているが、品名・別名・簡略名・類別名のいずれかでも表示可能。
例 ▼
物質名:L-アスコルビン酸別名:ビタミンC簡略名:V・C
2 | 用途名を併記・・・わかりやすく物質名とその用途が併記されている。
例 ▼
・甘味料(サッカリンNa)
・保存料(ソルビン酸カリウム)
3 | 一括名で表示・・・特定の用途で使用する場合に、使用目的を表す”一括名”で表示する。
例 ▼
・かんすい:数種類の食品添加物が配合されている。
・調味料(アミノ酸等)、調味料(核酸等):構成成分に応じて種類別にカッコ書きで表示されている。
4 | 表示が免除される場合・・・栄養強化目的でビタミンやミネラルなどが添加された場合、また、加工助剤やキャリーオーバーなどは免除される。(次項に詳細有)
明確ではない食品添加物の表示ルールとは?
ご覧いただいたように、一見かなりしっかりと表示されているようではありますが、上記4つの表示ルールから
3 | 一括名で表示
4 | 表示が免除される場合
これらについては、食品添加物の内容が明確に表示されているわけではないことがわかりますね。
この2つの表示ルールについて、さらに詳しく解説していきます。
【一括名】 | 【用途】 |
---|---|
かんすい | 中華の麺の製造 |
香料 | 香りをつける・香りの増強 |
イーストフード | イースト(酵母菌のこと)の栄養源 |
ガムベース | チューイングガムの基材 |
酵素 | お茶の濁りをとる・糖の分解・その他 |
酸味料 | 酸味をつける |
調味料 | うま味を与える・味の増強・調整 |
乳化剤 | 混ざらないものを混ざりやすくする(油と水など) |
豆腐凝固剤 | 豆腐を固めるもの |
苦味料 | 苦味をつける・苦味の増強 |
ph調整剤 | PH(水素イオン濃度)を適正に保つ |
膨張剤 | ガスを発生させ、生地を膨らませる |
光沢剤 | ツヤを与える |
軟化剤 | チューイングガムの軟らかさを保つ |
現在14種類ある一括名での表示が認められているものは、上記のように用途別となっており、”原則すべての物質名を表示”といったルールの例外のうち、添加された物質名がわからないものとなっています。
例えば、乳化剤。
用途としては、油や水などの混ざらないものを混ざりやすくする役割として添加するものです。ドレッシングやチョコレートに使用されているのをよく見かけますが、チーズにも使われている場合もあります。

チーズ用乳化剤は全23種類で、何種類かを選んで混ぜたものがチーズに添加され、混ぜ方はメーカーによって異なります。
ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などがありますが、中でも「リン酸塩」については、過剰摂取することでカルシウムの吸収が悪くなり、骨がスカスカになる”骨粗しょう症”の原因となります。
また、カルシウムの吸収が悪くなると連動してマグネシウムや鉄の吸収も悪くなるため、神経過敏症、抑うつ症、集中力の低下、さらには、虚血性心疾患を起こす可能性もあげられています。
摂取することさえ心配になる物質ではあるのですが、この「リン酸塩」は、一括名である「PH調整剤」としてコンビニのパンやおにぎりに使用されている場合や「酸味料」としてコーラなどの清涼飲料水に使用されている場合もあります。
・チーズ用乳化剤として何種類の物質が添加されているかもわからない
・混ぜ方はメーカーによって異なる
・他の食品添加物にも使用されているが、一括名である
このような要因から、リン酸塩は、過剰摂取により病気の原因となる物質にもかかわらず、どの程度摂取しているのかを知ることも測ることもできないのです。
1 | 栄養強化の目的・・・ビタミンやミネラルの添加など
2 | キャリーオーバー・・・食品の原材料に使用された食品添加物
3 | 加工助剤・・・食品の製造過程に添加されたものが完成前に除去されたり、最終的には微量となり食品に影響を及ぼさないもの
2 | キャリーオーバー
キャリーオーバー=”持ち越しされた成分” です。
例えば、「醤油焼きせんべい」

保存料(安息香酸)が使用されている醤油でせんべいを味付けし、ごく微量の保存料(安息香酸)がせんべいに持ち越されるのですが、非常に少量のためせんべいに保存料(安息香酸)としての効果がない場合は、保存料(安息香酸)の表示は免除されます。
その醤油に調味料(アミノ酸)が使用されている場合、味があり、調味料(アミノ酸)の効果があるため、調味料(アミノ酸)の表示は必要となります。
3 | 加工助剤
食品の製造過程で、次のいずれかに該当する場合は、加工助剤として判断し、表示が免除されます。
・食品中に通常存在する成分に変えられ、食品中に天然に存在するその成分の量を明らかに増加させないもの
・最終的に食品中に含まれる量が少ない、かつ、その成分が食品に影響を及ぼさない
・最終的に除去されたもの
例えば、「プロセスチーズ」

ナチュラルチーズに重曹添加しプロセスチーズを製造した場合。
重曹は加熱溶解の工程で、そのほとんどが分解して、プロセスチーズへの残存はごく微量となり、重曹の影響は出ないため、表示は免除されます。
条件に該当するか、加工助剤とするかの判断は、製造のたびに分析し確認証明をする必要はなく、各メーカーそれぞれの判断基準で表記しているのが現状です。
また、キャリーオーバーの表示の判断についてもメーカーの責任で行なっているようです。
表示のいらない食品添加物のことを知ろう
〜まとめ〜
食品添加物の数は1500種類以上。原材料欄から物質名についてまで全てを把握することは困難であって
・一括名で表示
・表示が免除される場合
これらのルールにおいても、”どんな物質が使用されているのかわからない”といった不安は残ります。
表示が免除される場合においては、原材料の全体に対してごく微量だからこそ省略されるものではあるので ”そこまで神経質に添加物を排除しなくてもいい” とさえ思えるのですが、その判断は人それぞれではないでしょうか。
表示の判断がメーカーによることや、一括表示ルールにより消費者が知ることができない原材料のあいまいな部分など・・・
今回取り上げたごく一部の内容からも、食品表示は意外にも奥が深いものだということを実感します。
添加されている物質によって ”不調や病気起こす可能性をあげられているものがある” ということを知った上で、どの程度許容し何を取り入れていくのか。
また、身体へのアプローチとして食生活について考えるきっかけになれば幸いです。
・新しい食品表示がわかる本「食品表示」森田満樹
・トコトンやさしい食品添加物の本 仲村健弘
・食品添加物用語の基礎知識 小籔浩二郎
参考:消費者庁HP